辨 |
キク属 Chrysanthemum(菊 jú 屬)については、キク属を見よ。 |
訓 |
キクタニギクの名は、京都東山の菊渓にちなむ。およそ高台寺の東の山中(東山区粟田口東大谷山町と粟田口高台寺山町の境)に位置する菊渓(菊谷川の源流)は、野菊が生育していたために菊渓と呼ばれたという(『角川日本地名大辞典』)。 アワコガネギクの名は、牧野富太郎の命名。「和名ハ泡黃金菊ノ意ニシテ、其密集セル泡ノ如キ小黃花ニ基キテ名ケタルナリ」(『牧野日本植物圖鑑』)。
アブラギクの名ついては、シマカンギクを見よ。 |
説 |
本州(岩手~近畿)・壱岐・対馬・朝鮮・遼寧・吉林・黑龍江・河北・陝甘・兩湖・江西・四川・雲南に分布。
絶滅危惧Ⅱ類(VU,環境省RedList2020)。
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田村剛・本田正次編『武蔵野』(1941)によると、当時 秋から初冬の武蔵野にはリュウノウギク、アワコガネギクが野菊として咲いていたという。
(筆者は未だ野生品を見たことがない。) |
「若い苗をとり、ゆでて数回水を変え、一晩つけたままおき、苦味の去ったところを和えるか浸し物にすると、ほのかな苦みは残りながら、菊の香があって食味が良い」(本山荻舟『飲食事典』)。 |
誌 |
中国では、民間で全草を薬用にする。 『(修訂) 中葯志』IV/268-271 |